TA心理学を体験する入口として TAハッピーカードとは

TA心理学は、大きく3つの理論、パーソナリティー理論、コミュニケーション理論、児童の発達理論で構成されています。
個別理論としては、自我状態モデルをはじめやりとり分析、ストローク、時間の構造化、人生脚本(脚本、ライフ・スクリプト)、ラケット感情、ゲーム、ライフ・ポジション(人生の立場)などで構成されています。
この3つの理論のうち児童の発達理論をベースに考案されたカードがあります。
それは「TAハッピーカード」です。

◆TAハッピーカードとは

では、TAハッピーカードとはどのようなものでしょう。
TAハッピーカードは国際TA協会(ITAA)教育分野の教授であり、日本TA協会の副会長でもあるあべともこ先生が創案されたものです。

あべ先生がTAを学ぶために、アメリカのジーン・クラーク(Jean Illsley Clark)先生のもとで開催される5日間の合宿に参加したとき、そこに「アファーメーション・カード(Affirmation Cards)」が、玄関前をはじめ玄関ホール、階段わき、セミナールーム、キッチン、トイレなどあらゆる場所に置かれていたそうです。
そのカードはいつ引いてもよく、自分で読んでもよし、誰かに読んでもらうのもよし、気に入ったカードはそのまま持って行って自分のカードにしてよい、というものでした。
そこで最初に引いたカードは、不安や緊張いっぱいのあべ先生の気持ちをほぐし、あたたかく迎え入れてくれてもらっている、そんなメッセージを感じたそうです。
その後、各セッションが始まる前や休憩時間などでカードを引き合い、笑ったり、泣いたり、物思いにふけったり、様々な気づきや感情を与えてくれました。
朝から晩まで続く5日間の合宿を乗り切れたのもアファメーション・カードの存在が大きく影響していたと感じたそうです。

その時の体験をもとに、そのカードを日本語バージョンとするためにTA理論家パム・レビン(Pam Levin-Landheer)女史の発達理論を合わせ、単なる翻訳ではなく「TAハッピーカード」として創案されました。

TAハッピーカードは人生を一本の道路に例えて説明しています。おぎゃ~と生まれてから、これから歩む人生の荒野に、私たち個人個人別々の自分の道路を作り始めます。各ステージでの成長過程で、うまく成長できているときもあればそうでないときもあります。それは、荒れた道路を舗装するイメージです。舗装がうまくいけば歩みもスムーズになりますが、未舗装であったり、穴ぼこがあいていたり凸凹状態であれば歩きにくいものです。荒れた道路を進んでいるとき、私たちはモヤモヤしたりイライラしたり、落ち込んだります。その荒れた道路を修復し舗装していくためにTAハッピーカードは力を貸してくれます。
TAハッピーカードからのメッセージは、感情を揺さぶり、笑ったり、泣いたり、ハッとしたりいろいろな気づきを与えてくれます。

TAハッピーカードは、私たち自身や私たちの周りの大切な人たちが幸せにある道をひらくメッセージ・カードなのです。

◆TAハッピーカードの内容

70枚のカードで構成されています。
カードはパム・レビン(Pam Levin-Landheer)女史の発達理論に基づき10のステージに分けられており、それぞれのステージにはタスク(課題)と7枚のメッセージカードがあります。

〇ステージ
ステージは、ステージ0(胎児期)~ステージ9(完結期)までの10ステージあります。
ステージ0(胎児期)~ステージ5(児童期)までは、子育てのヒントとして活用できます。
ステージ5まではファースト・サイクルで年齢で12歳までを想定しています。
ステージ6(思春期)~ステージ9(完結期)は各ステージの課題に取り組むこともできますし、これまでのステージに移動し、やり直すこともできます。
ステージ6からはセカンド・サイクルとなっています。

ファーストサイクルは、様々な心理学や脳科学でも重要だと言われる6歳までを想定しています。
6歳までの学びや体験は、その後の人生に大きな影響を与えます。
セカンド・サイクルでも、ファースト・サイクルと同じサイクルで再び、成長・発達し続けます。つまりファースト・サイクルをやり直すことができるのです。

〇タスク(課題)
各ステージ毎に身につけるべき課題が設定されています。
ステージ1(新生児期)誕生から6か月のタスク(課題)は「存在(Being)」になります。
生まれてすぐの期間は、親(お世話してくれる人)に、あるがままの存在を認めてもらいたい時期になります。
自分はここにいていいんだという「存在」を認めてもらうことがタスクとなります。

セカンド・サイクル以降であれば、就職して会社に入った時もステージ1と同じ状況と考えられます。
新しい会社に生まれてすぐの間は、周りの様子をうかがい、そこの場所にいてよい、存在してよいという、自分の存在を認めて欲しい時期になります。この時期に、周りのお世話が足りない、おろそかになると、人は不安になり、存在を認めてもらえないことがストレスとなって、その会社で成長することが難しくなります。

以下、
ステージ2 生後6か月から18か月 タスクは「行動(Being)」
ステージ3 18か月から3歳 タスクは「嗜好(Thinking)」
ステージ4 3歳から6歳 タスクは「独自性と影響力(Identity & Power)」
ステージ5 6歳から12歳 タスクは「スキルアップのパワー(The Power of Being skillful)」
と続きます。

〇キーワード&メッセージ
各カードには、キーワードとメッセージが書かれています。
キーワードはステージ毎にそれぞれ設定されており、ステージのタスクを解決するためのキーワードであり、そのキーワードを実現するためにハッピー・メッセージが書かれています。
私たちは、キーワード、ハッピー・メッセージどちらからでも気づきや感情の揺れを感じられます。その感情の揺れを自分で深堀することで気分の内面と向き合ったり、気づかないように蓋をしていたものに気づくことができます。

〇穴ぼこワード
カードの裏には、穴ぼこワード(メッセージ)が書かれています。
自分がもやもやしていたり、落ち込んでいるときについ言ってしまう言葉になります。この言葉に反応するということは、自分お中に多かれ少なかれもやもやしたものになります。そのもやもやへの対処のヒントがハッピー・メッセージに書かれています。

◆TAハッピーカードの使い方

TAハッピーカードの基本的な使い方は次の通りです。
できれば2人一組で引くことを推奨します。

①一枚カード引く
②引いたカードを相手に渡し、相手は受け取ったカードを3回読みます。
③3回読んでもらった内容を聴いて感じたことをお互いにシェアします。

自分で読むだけでなく、ほかの人に読んでもらうと、自分では気づかない思いや蓋を開けてもらえることがあります。
しっかり聴いて、自分の気持ちに素直になって、受け止め、しっかり味わってみてください。
自分と向き合うきっかけになります。

私の場合、TAハッピーカードを常に持ち歩き、気が向いたときに引くようにしています。
その場合、わたしひとりのワークなので、ひとりで3回読みます。
それぞれの時間、今その時、に引いたカードは、いろいろな気づきを与えてくれます。
「最も身近なメンター」と私は呼んでいます。

TAハッピーカードは、人生を豊かにしていくための道標となります。
ぜひ、そのパワーを味わってみてください。

 

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