エゴグラムは自分のパーソナリティ(自我状態)が外部にどのように見えているのかをグラフで表しています。
常に同じではなく、ある瞬間、場面場面によって変わります。
職場で上司と話しをしているとき、打ち合わせをしているとき、お客さんと折衝しているとき、
家に帰って、奥さんと話しをしているとき、子どもと話しをしているとき、
平日の朝、休日の朝…
時間場所、一緒にいる人を思い浮かべると自分の姿が常に同じという人はあまりいないと思います。
そんな自分の姿を目に見えるようにグラフ化したのがエゴグラムです。
エゴグラムは自分自身のためにも使えますが、自分のことを書くのに抵抗を感じる人もいます。
そこで、事例で見て考えてみようと思います。
わかりやすく(?)テレビドラマの登場人物に当てはめてみましょう。
今日はTBS系で放送された「ドラゴン桜」からみてみましょう。
エゴグラム ドラゴン桜 桜木建二(阿部寛)の場合
主人公の桜木建二は人の話しを聴くというよりは、自分を考えを押し通すタイプに思います。
ただ、理不尽に押し付けるのではなく、理にかなった自分の損じる信念に基づき、相手に愛情を持って接しています。
自分の信念を曲げずにちょっと高圧的にぐいぐい押すところは CP(批判的親) がとても高いと言えます。
その内容は理路整然と理にかなっているところから A(成人)も働いています。
人の意見を聞くということはあまり見られないので AC(従順な子ども)は低いでしょう
エゴグラムに表すとこんな感じでしょうか
桜木は生徒に対して、考えを押しつけているようでしっかり生徒のことも考えています。
相手を屈服させようとするより、生徒の能力を引き出すために厳しく接しています。
その厳しさは、言葉の使い方や声のトーン、表情からも伺えます。
ドラマなので、そのような感情を伝えるのは分かりやすく伝わるものも大きいですね。
余談ですが、桜木建二役を演じている阿部寛さん。
最近では人間臭く、相手への厳しさを出しながらも、ちょっと間の抜けたところもある。
何とも言えない存在感があり、わたしの好きな役者さんの一人です。
エゴグラム ドラゴン桜 岩崎楓(平手友梨奈)の場合
岩崎楓はバドミントン部に所属し、将来オリンピック出場も目指せる選手です。
両親は二人ともバドミントン選手で、小さい頃から楓をオリンピック選手にするために英才教育をしてきました。
楓もそんな両親にしたがってバドミントンに打ち込んできました。
怪我をきっかけに東大受験を目指します。
楓は、両親の言うことには常に従います。
典型的な AC が高いタイプと言えます。
バドミントンで常に勝ち続けてきているのも、負けず嫌いなところが垣間見れます。
誰かと会話しているときは、ちょっと上から目線の CP(批判的親)の強さも感じられます。
ただ、何かを楽しんだりすることはほとんど見られず NC(自然な子ども)は低そうです。
エゴグラムに表すとこんな感じでしょうか
両親に対して
両親以外(桜木や友人)に対して
そんな楓ですが、ドラマ後半では、両親に対して自分の考えをしっかり話しています。
AC は少し下がり、自己主張をする CP が上がったと考えられます。
平手友梨奈の持つテレビから発せられるオーラは、岩崎楓の雰囲気にもあっていて、好感が持てました。
平手友梨奈は独特の何とも言えない存在感を感じますね。
エゴグラム ドラゴン桜 岩崎楓(平手友梨奈)の両親の場合
岩崎楓の両親もある意味、典型的なキャラクターになっています。
娘をバドミントンのオリンピック選手にするために幼少期から英才教育をしてきます。
娘のためにと言いながら、そこには両親の夢が見え隠れします。
楓に対しては常に「ああしなさい」「こうしなさい」と指示ばかりです。
心配をするというよりは「言うとおりにしていれば大丈夫」という感じです。
CP(批判的親)が高いことが伺われます。
楓が怪我をしたときの対応も、娘の身体を心配するというよりは、怪我をした娘の行動を批判しています。
すべてを犠牲にしてバドミントンに打ち込んできたことから、他のことを楽しむといった様子はうかがえないことから NC(自然な子ども)は低いと言えるでしょう。
エゴグラムにするとこんな感じでしょうか
ドラマ後半で楓が自分のやりたいことを話している場面で、楓は両親に感謝の言葉を言っています。
表面的には NP(養育的親)はあまり感じられませんが、楓自身は親の愛情をしっかり受け留めていたので、NP は日常生活の中ではしっかり相手に届いていたことがわかります。
楓の話しを聴いた後の両親のエゴグラムは CPが下がり NPが上がったと感じられました。
このようにエゴグラムは変化していきます。
自分自身または良好な関係を保ちたい方の今ここの状況を知るために使ってみてください。
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