ハラミちゃんの即興ピアノ演奏の魅力!TA心理学プロが分析!鬼滅の刃メドレーYoutubeで検証!

フジテレビの芸能界特技王決定戦TEPPENのピアノ女王決定戦で優勝した、ストリートピアノYoutuberのハラミちゃん。
コロナ禍でもいろいろなところで演奏をし、その姿がYoutubeに投稿されていますね。
12月からは全国ツアーもするそうです。
ストリートピアノの世界から、演奏家として別の舞台に立つことになる!すごいです。

ハラミちゃんのすごさって何だろう? って、ふと気になっちゃいました。
心理学を学ぶ私の悪い癖というか…(まぁ、勉強の一環ですね。)
より良い人間関係であり続けるために、いろいろな人の心理状態を考えることは、活きたトレーニングになります。

こんな人になりたい。
あの人にあこがれる。
あの人の言っていることは本当に感動する。
あの人の発するオーラは安心する
あの人の演奏は心が休まる。
あの人の演奏はドキドキする。
あの人のプレーはスカッとする。
…etc…etc…

最近私がはまっているストリートピアノの演奏も何が楽しいのでしょう?
ふと自分を振り返って考えてみました。
私は音楽とは距離のある人なので、個人的な主観、感想です。

専門的な視点でみると?がつくこともあるかもしれませんがご容赦ください。



ハラミちゃんのYoutubeので演奏の特徴

ハラミちゃんの演奏は力強く、譜面をなぞるのという感じはせず、表現して魅せているというイメージです。その演奏には惹きつけられ聞き入ってしまいます。
TEPPENで優勝するくらい演奏が上手だから、当然かもしれません。
では、目を閉じて演奏を聴くだけで、ハラミちゃんすごい! っと感じるでしょうか?

演奏だけを聴いても、私はそれほど”はまる”ことはなかったように思います。
私が思うハラミちゃんの魅力は、ダイナミックに、そして本当に楽しそうに演奏しているところです。

ストリートピアノの演奏をYoutubeで観ると、演奏者の演奏している姿と手元をしっかり見せています。

ハラミちゃんの演奏している姿はちょっと独特です。
自分のバッグやリュックをそのまま持って演奏します。見るからに邪魔そうなのですが、一向に気にすることなく演奏しています。
その演奏する姿を見ても全く違和感がなく、バックを持っていることなんて全く気になりません。

演奏中は、笑顔を絶やさず、時には観客のほうを向いて微笑みかけたり、カメラ目線でも微笑んだりしています。
その笑顔は、心から演奏を楽しんでいる、という気持ちが伝わるような笑顔です。
その姿を見ているるだけで、楽しく、ワクワク、ドキドキするような、心を揺さぶられながら幸せな気持ちになれます。

そして、ダンスするように身体を全体を動かしながらピアノを弾く姿を見ると、アッとされるような迫力を感じます。

ホールでの演奏会でのピアノ演奏は、”演奏を聴く”という感じだとするならば、ストリートピアノの演奏はピアノの”パフォーマンスを観る”という違いを感じます。

ハラミちゃんは「もっと身近に、ピアノ演奏は楽しいことを知ってもらいたい」ということでストリートピアノを演奏しているそうです。

その演奏している姿を見ると、ピアノって楽しいなぁと感じます。そして、自分も弾いてみたい、と思います。

ハラミちゃんの演奏は、観て聴いて本当に楽しいですね。



鬼滅の刃のメドレーを即興で演じられるすごさ!

最近の演奏でこれは本当にすごいなぁと感じた動画がYoutubeにありました。

【駅ピアノ】帰宅ラッシュに「鬼滅メドレー」弾いたら、駅がヤバいことになったwww
【鬼滅の刃】(紅蓮華/竈門炭治郎のうた/炎) Demon Slayer Kimetsu no Yaiba gurenge

聴衆の方からリクエストを聴いて「鬼滅」「メドレー」と別々の方からのリクエストに、わかりました、という感じでピアノに向かいますが、「鬼滅のメドレーやったことない!」とカメラ(撮影スタッフ)に向かって話します。でも楽しそう。3秒くらい宙をみて、すぐに演奏開始。即興での演奏が始まります。

「紅蓮華」からスタートし「竈門炭治郎のうた」そして「炎」と繋がります。
まるで、用意されていた曲があるかのようにスムーズに聴かせてくれます。

それぞれの曲は知っていたとしても、曲の流れを活かして、全体として一つの作品のようにまとめる演奏は本当にすごいと感じました。
演奏を聴いているときは聞き入って、演奏が終わると何とも言えない感動の余韻が残ります。



即興でも緊張しない! どうして演奏できるの!?

この時ハラミちゃんはどんな気持ちでいたのでしょう。
直接聞いたわけではありませんので、私の推測になります。

この時のハラミちゃんの自我状態(※)ですが、まず、子ども(C)の自我状態が活性化し、ワクワクして楽しい気持ちで満たされています。
そして、自分は演奏してもいいんだという親(P)の保護を受けている(見守られている)安心感のもと、冷静に成人(A)が行動をコントロールしてピアノを弾く、という状態が考えられます。

人は誰でもわくわくして楽しいときには、何も考えずに没頭することができます。ハラミちゃんもピアノを弾くことは楽しくて楽しくて仕方がないのだと思います。
そしてピアノを弾くにあたっては、安心して弾けるという気持ちのゆとりがあると、落ち着くことができます。「大丈夫、大丈夫、安心して弾いていいんだよ」と無意識の中で語り掛けている自分がいるでしょう。
実際の演奏は、これまで練習し培ってきた技術を冷静にすべての技量を使って披露できるのでしょう。

このように、その時の状態をTA(Transactional Analysis)を使って心理学的に分析してみると、発表の時に上がってしまったり、本番ではどうしても失敗してしまう、というようなうまくいかない原因を紐解くきっかけがつかめます。
失敗する自分の自我状態とハラミちゃんの演奏しているときの自我状態を比較してみるとわかりやすいかもしれません。

※自我状態
TA心理学の基本的な考え。人のパーソナリティは「親(P)」「成人(A)」「子(C)」の3つから構成されているという考え方



観客(聴衆)はどんな気持ちで聴いているのでしょう。

ハラミちゃんは一人ぼっちで弾いているわけではありません。
周りには非常に多くの観客がいらっしゃいます。
家族連れで小さなお子さんがいたり、会社が終わって疲れている会社員の方もいらっしゃるように見えます。
動画の中では、思わず足を止めてピアノの音の先を確かめようとする姿も見受けられます。

このように、演奏者と観客が一体となって、ピアノの演奏を楽しんでいる状態のことを「三昧(ざんまい)」と言います。

三昧とは、演奏者が自分自身の演奏に陶酔し、観客もその演奏に酔いしれている状態と言えます。
何かに夢中(没頭する、熱中する)になっている状態で、一人だけではなく複数の人と同時に味わうこともできます。

この動画は、まさにそんな状況が見て取れます。

ハラミちゃんは楽しくしっかり演奏をしています。
観客のみなさんはハラミちゃんの演奏に聴きっています。
演奏が終われば大拍手です。
視聴している私も思わず拍手をしてしまいました。

聴いている私の自我状態も子ども(C)がワクワク、ウキウキと楽しんでいます。
そして、心の奥に届く音(メロディ、リズム)は、気持ちを揺さぶります。
言葉にできない感情で涙があふれることもあります。

立ち止まって聴いている観客の方たちも、きっと何かを感じていると思います。
自分の中の子ども(C)の自我状態を活性化させて、自分の気持ちを癒したり、元気を与えたりしていると思います。

このように、演奏者と観客が一体となって過ごす時間は、お互いにとてもよいストローク(※)交換ができると考えられます。

機会があえば、ぜひ生演奏を聴いてみたいですね。

※ストローク
心の栄養。心理的な健康を維持するため必要なもの。

 



(参考文献)
『ギスギスした人間関係をまーるくする心理学 エリック・バーンのTA』
安部朋子 著
西日本出版

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