NHK BS1で放送されている「駅・空港・街角ピアノ」シリーズ。
日本をはじめ世界の空港や駅、街角に置かれているピアノ。
だれでも自由に弾くことができます。
ピアノに定点カメラを設置し、ナレーションは一切なく、演奏を見つめたドキュメンタリー番組です。
いろんな人がそれぞれの想いを載せて音楽を奏でます。
ナレーションがないので、心を落ち着けて、静かに演奏を聴くことができます。
中には、もう一度聴きたい演奏もあります。
ブリスベンで演奏されたカノンもその一つです。
空港ピアノが置かれているのはオーストラリア・ブリスベン空港
ピアノが置かれていたのはオーストラリア第3の都市ブリスベンの空港。
国際空港の搭乗ロビーに置かれている真っ赤なピアノ。
なかなかインパクトのある目立つピアノです。
真っ赤なピアノは初めて見ました。
オーストラリアには行ったことはありませんが、光あふれる空港ロビーはとても明るいですね。
ピアノがそんなフロアの中央に置かれており、緑の絨毯が引いてありますね。
赤ちゃんがハイハイしています。その姿は愛らしいですね。
ピアノは空港には必要なものではないけれど、節目になる”空港”という場所にはあっても良いかもしれません。
空港ピアノで弾かれたのはカノン(ヨハン・パッヘルベル)
1分30秒弱の演奏は、これまで聴いてきたカノンとは、演奏の雰囲気が違いました。
カノンは心に寄り添うイメージがありますが、この演奏は包み込むようなやさしさを加えた音色になっています。
演奏する人によって、こんなに聴いている感じが変わるものなのですね。
弾き始めの最初のフレーズから、カノンが始まるのだけれど、「あれ、カノン?」と思うような始まり方です。
でも、途中から聴きなれたカノンのフレーズに移ってくると、何とも言えない心地よさです。
画面を見ると、力強く奏でているように見えるけれど、その音色はこころに沁み込むような優しさがあります。
ジーンと心温まる演奏は、本当に聴き入ってしまいます。
カノンは、大好きなクラシックの一曲です。
私は、結婚式披露宴でもリクエストして使いました!
定番の演奏でしたが、その後もいろんなアレンジを聴きましたが、ここまで心休まる演奏は初めて聴きました。
演奏している人の、人となりが音にも反映するんでしょうね。
空港ピアノを弾いたのは海洋学者!?
演奏してたのは、59才の海洋学者。
オランダ人で、ニューカレドニアからの帰り。
椅子を整え、スーッと座って演奏を始めるのは落ち着いてさり気ない。
紳士的な雰囲気は、ピアニストというよりは学者、先生という感じですね。
どんなピアノ演奏をするのだろうと思っていると、優しいタッチ、優しい音色が奏でられます。
ピアノを弾いているときは、あまり表情には出ていないけれどとても幸せそうに感じます。
ピアノは10才の頃から始め、楽しくて毎日弾き、深海に憧れ海洋大学に進学。
学費を稼ぐためにピアノ弾きのアルバイトをしていたそうです。
そのピアノ演奏が評判を呼びピアニストとしても活躍することになったのだとか。
現在は、昼は海洋学の先生をしていて、夜はホテルでピアノを弾いてるそうです。
海洋学の学者先生でありピアニスト。
昼と夜の顔、というと大げさですが、とても素敵な生き方だなぁって思います。
アルバイトでピアノ演奏ができるということは、かなり練習していたんでしょうね。
楽しく弾いていたということですから、本当にピアノが好きなんでしょうね。
ピアノを弾くこととエネルギーが湧いてやる気がみなぎると話す姿は、本当にエネルギッシュな力を感じます。
演奏から伝わる優しさは、周りが喜んでくれると自分の喜びになる、という彼の心から生まれるのでしょうね。
彼の演奏は、機会があれば、また聴いてみたいですね。
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